霊より人間の方が怖い!
昔の会社での出来事です。ある意味恐い話です。
その日、僕は遅番で夜中の2時頃に戸締まりの為、
広い敷地を一人で戸締まりに行きます。
もちろんこんな時間、誰もいるはずがないです。
小さな街灯に目をやると、人影が見えました。
僕はかなりビビって固まってしまいました。
その人は、うずくまった体制で
こちらに背を向けています。
街灯の下にいるので風貌が見えてきました。
その人は若い女性。フリフリのロリータファッション。
この時点で僕はお化けじゃない。…でも
明らかにこの時間に女の子がいるのはおかしい!
しかも相槌をうちながら誰か(何か)と会話してる!!
…その頃、漫画やテレビで小さな宇宙人が皆さんの周りにいます。
というのが話題になっていました。
もしかして宇宙人と話してるの?恐さが倍増しました。
意を決して声をかけました。
5m離れた場所から「スイマセ-ン…」か細い声で話しかけました。
……聞こえてないわ。まだ何かと会話してる。
勇気をだして「スミマセ~ン!!!」
女の子はハッと気づいたように背筋をピンと伸ばしました。
振り向いた彼女は牛乳瓶の底の様な眼鏡をかけた
小太りで典型的な「オタク」です。
話していたのは、宇宙人ではなく
大量のレディスコミックでした。
楳図かずおのホラーものばかり。コミックを見ながら独り言を言っていたようです。
「あの…。閉めますんで…」と声をかけました。
申し訳なさそうに敷地からイソイソと出ていきました。
かなり心拍数が上がった
20代の頃の出来事でした。
((((;゚Д゚)))))))